これまでの経験や人間関係を大きく変える転職は、人生の一大イベントです。一度きりの人生なので、思い切って新しい環境に飛び込んでみるのもいいですね。実践編では、求人の応募から面接対策まで、転職活動における成功確率の高め方について紹介します!
ぼーっとしてたら、お散歩ショーから外されてた!
求人の裏側を読み解こう
転職時に、ご自身のキャリア成長や年収の期待値、勤務条件に合っているかなど求人情報を確認しますよね。
希望条件で会社や職業を絞り込む前に、ぜひ確認いただきたいことは「募集背景」です。企業がなぜ人を探しているのかを理解すると、どこに応募すべきか、面接で何を伝えるべきかがわかります。
募集背景は「増員」、もしくは「欠員補充」の二つに分かれます。
増員 | 欠員補充 | |
---|---|---|
背景 | 事業拡大や新規事業の立ち上げで人員が必要 | 退職などで不足したマンパワーを補充 |
人数 | 多くの職種で複数名 | 限られた職種で1から2名 |
時期 | 応募者の都合を聞いてくれる | なるべく早期入社 |
期待値 | 即戦力とポテンシャル | 即戦力 |
基準 | 幅広いポジションの適正で判断 | 即戦力の条件に合っていれば合格 |
入社後 | 想像と違って成果が出にくい場合あり | 得意な仕事で成果を出しやすい |
必要な人員が退職する、もしくは退職してしまったなどの「欠員補充」は、募集ポジションの役割や業務が明確なので、「即戦力の条件」に合っていれば、比較的かんたんに書類選考を通過できます。
転職活動を伴走するエージェントに、これまで働いていた人の業務内容や募集に関わる職務経験、必要なスキルを応募企業に確認してもらうと、書類選考の合格率をさらに上げることができますよ。
メリットは、過去の経験が活かせるので成果を出しやすいことと、一から教えてもらう必要がないので、早い段階でリモートワーク勤務が可能。一方、デメリットとしては、早期入社を求められるため、現職との調整が大変です。
書類選考で応募者の採用を見送る際、募集企業の採用担当者は、人材紹介会社に「不採用理由」を伝えなければなりません。人柄やコミュニケーションなどを判断する面接と異なり、書類選考では、応募条件と合っているかどうかで判断されるので「断られる理由を最小限にする」と通過率が高まります。
将来の業務拡大を見据えた「増員」は、多くの職種で複数名人材を募集するため「欠員補充」より書類選考の通過率が高いと考える人もいると思います。
それ自体は、必ずしも間違いではないですが、合格率を高めるためには「将来とは、具体的にいつ頃を示すのか」を確認してみましょう。
新規事業や新たな部門の立ち上げですが、数か月後から1年先まで、募集企業の状況により時期は様々です。必要な期間が短いほど、採用側の余裕がなくなるため、審査が通りやすくなります。
応募企業の時期として最も狙い目は、新規事業や新しい部署が立ち上がったフェーズでの「増員募集」。プロジェクトを進めるために必要な人材が足りていない状況なので、採用を急いでいることに加えて、採用枠 (予算) にも余裕があるため、条件にフィットしていなくてもポテンシャル採用もあります。
メリットは、会社が投資フェーズ (=勢いがある状況) なので、職場に活気があること、忙しさに耐えて成果を出せば給与アップの機会があること、さらに入社時期についても応募者の意見を聞いてくれることが多く、現在働いている職場から円満に退社できることです。
一方デメリットとしては、入社後の期待値が定まっていなかったり、募集ポジションが埋まっていないため当初の役割と異なったり、複数の仕事を兼務することになったりと「想像と異なる働き方」を求められることがあります。
なぜ転職エージェントを使うのか?
企業のキャリア採用ページを訪問し、直接応募する「直接応募」と「転職エージェントを介した応募」は何が違うのでしょうか。
転職エージェントサイトへの登録や担当者との面談が面倒、もしくは、自身の転職スタンスが明確なので「アドバイスは不要」と考えている人は、サバイブする転職思考法準備編「自分を客観視する」で説明した通り、信頼できる誰かに、ご自身の考えを聞いてもらってください。
自分では気が付かなかった相性が良い案件や、同じようなポジションでも年収が高い求人を紹介いただけることがありますよ!
年収が高いハイキャリアや、部門長など組織の基幹ポジションは、重要なプロジェクトを外部に知られたくない、もしくは、殺到する応募者のスクリーニングを強化したいなどの理由から案件が公開されていません。
自分の視野を広げてくれたり、非公開求人を紹介されたりするケース以外にも、転職エージェントを活用するメリットとして「職務履歴書」の作成支援などがあります。特に私がおすすめするポイントは以下の3点です。
- 「応募背景」など採用企業の情報を獲得
- 応募書類に「推薦文」をつけて提出
- 選考見送り「理由」を確認
応募背景による転職活動の進め方は「求人の裏側を読み解こう」のコラムで説明しているので、気になる方はご確認ください。
「直接応募」の場合は、履歴書と職務経歴書で採用企業に評価されますが、「転職エージェント」を介した応募では、二つの書類に「推薦文」を添えて企業に提出することが可能なのです。
「欠員補充」、「増員」どちらの応募背景においても、実務で多忙を極めたキャリア転職の採用責任者は、直接応募とエージェント経由で届く多くの書類に目を通さなければなりませんので、数多くの採用に関わった経験から言えることですが、選考にそれほど時間をかけることができません。
そのため、期待に沿う応募者の選考時間を確保すべく「応募者は●●で経歴が優秀、■■の実務経験は貴社の▲▲プロジェクト推進の即戦略になります!」と書かれた「推薦文」を参考にしています。
採用企業は、募集前のエージェント向け説明会において、背景に加えて、必要な人材の職務経験やスキルを詳しく伝えています。その後も、書類選考のスクリーニングを効率化するために「応募者の職務経歴のどのあたりが期待値とズレているか (= どうなれば選考をパスできるか)」を相談しています。
優秀な転職エージェントほど、募集企業から正確に情報を取得しており、また、企業側もその方の推薦文を読むので、書類選考の通過率が格段に高まります。
折角時間を掛けて準備した書類選考で、「誠に残念ながら今回はご期待に添えない結果となりました」という案内が届いたとき、人の捉え方は大きく2つに分かれますよね。一つはモチベーションが下がってしまいやる気を失うタイプ、もう一方は直ぐに気持ちを切り替えて次に進んでいくタイプです。
しかし、実はどちらも間違いで、不合格通知後の本当に正しい行動は「応募プロセスを客観的に評価する」ことなのです。
書類選考応募前に確認すべきプロセス
書類選考を通過できなかった原因として「応募者の能力不足」ではなく、「応募先を間違えている」場合も多いです。上記プロセスにおけるStep1、Step2に時間をかければ回避できますよ。
プロセス評価で最も重要なことは、転職エージェントに「選考見送り理由を確認」することです。プロセスを正しく進んでいた場合、「書類選考で落とされる要素は減らしているので、納得できる理由がある」はずです。
書類選考では、面接と違って採用側の主観的な「パーソナル評価」が入る余地がなく、募集条件にどれだけ合っているかだけで判断するため、必ず客観的な理由を説明できます。
信頼できるエージェントを見極める
転職者のアンケートでは、転職者のアンケートでは、「話を親身に聞いてくれた」「質問へのレスポンスが早かった」「選考状況を適宜共有してくれた」エージェントが信頼できると評価されています。
ただ、彼・彼女たちはボランティアではなく「仕事として支援」しているので、当然の行動ではないでしょうか。そこで、本当に信頼できるエージェントとは「応募者に言いにくいことを正直に伝えてくれる人」になります。
転職エージェントの視点で見れば、職を探す転職者は、企業に販売する商品なので、たくさん売れる (=紹介先への採用が決まる) と年収が増えます。
そのため、応募者の実績や能力を少し盛った表現で推薦文を書いたり、本来であれば紹介すべきでない募集に対して、応募を促す人もいます。
信頼できるエージェントは、「なぜこの募集に対して自分が相応しいのか」や「その案件募集を受けたとしても選考が通らない理由」などを論理的に説明してくれる人です。
募集条件のあいまいさ
また、上記に掲載していたStep 1からStep 4のプロセスを正しく進めた人が「選考見送りになる理由」として、「採用企業側の募集条件のあいまさ」が原因の場合があります。
企業としては、条件を絞りすぎると応募者が集まらないので、少し条件を緩和して募集します。
この時に集まった応募者の書類審査や面接を実施してみると「●●の能力や経験」の必要性が明確となり、その結果、緩和した条件で集めた応募者の書類選考を「不合格」と判定しています。
応募条件では確認できなかった「上位の経験やスキル」が見送りの理由の場合は、「採用企業側の条件設定の甘さ」が原因なのです。
ここで自分の能力不足ではなかったからと「今回のプロセスは問題なし。次に進もう!」と考えるのはよくありません。実は、このような事態も予測して、自分で応募先を選択できるのです。
優秀なエージェントとは
いろいろな企業で採用活動を実施していると、とても優秀なエージェントに出会うことがあります。
募集時の条件緩和は、どの企業でも実施するので、そのあたりを理解しているエージェントは、企業側に「本来求めている条件」と「募集枠調整のため緩和している条件」を確認しているのです。
ここまでは特別珍しい状況ではありませんが、優秀なエージェントは、募集背景から最適な人材像 (=必修条件) を自身で想定し、緩和した条件を一段絞り込むような質問を企業に投げかけています。
例えば、ヘルスケア業界という広い条件に対して、「●●のような企業で■■のような経験をしている人で合っているか」やデジタルマーケティングに対して「マスにアプローチするB2C、それとも狭いターゲットに深さを求めるCRM要素を経験に求めるか」などです。
当然ですが、このようなエージェントから紹介される求人は、期待値とかなり合っており、高確率で書類選考を通過します。
応募条件を確認した際、「広めの条件」や「具体的な人物像が見えない」と感じたら、条件が明確になるよう転職エージェントに質問してください。
企業側は、効率的に優秀な人材を採用したいので、上記のような質問をエージェントから受けたら、かなり詳細に回答していますので「採用企業に確認しても詳細を教えてくれない」と回答する転職エージェントとのお付き合いは考え直した方がよいかもしれません。
企業の価値や成功は、そこで働く人の力で決まります。最も重要な採用活動に真剣に取り組まない、もしくは能力が足りていない担当者に任せて、「採用を支援するパートナーに必要な情報を出さない」ような企業に転職しても後悔するだけなので、情報が出てこない場合は応募を見送る選択も検討しましょう。
「職務経歴書」については、サバイブする転職思考法準備編「計画された職経歴書を作り上げる」で詳しく説明していますので、是非ご確認ください。
なぜあの人は面接に受かるのか?
書類選考を通過したらいよいよ面接ですね。「力まず自然体で、ありのままの自分を表現すれば何とかなる!」のは、新卒まで。キャリア面接は万全の体制で望みましょう。
学生時代に頑張ったことやアルバイト経験、卒業研究を含む学業で身につけたことは、一部のIT業界や研究開発のポジションを除くとそれほど役に立つものではありません。
そのため新卒では、社会人として職務を遂行する土台として地頭力や、コミュニケーション能力、ストレス耐性など「その人が持つポテンシャル」を面接で評価したいと考えています。
個人の内面と発想力を見せる場面で、ネットにあふれた記事の話をしたり、誰の成果かわからない学生時代の活動を長々伝えても面接を突破できるわけがありませんよね。
つまり、面接で大切なポイントは「相手が求めていること = (評価されること)」に簡潔に答えるだけなのです!
キャリア面接の採点シートで評価されること
キャリア面接では、一次から最終まで平均三回ほど面接が実施されます。
フェーズ | 面接官 | 評価される内容 |
---|---|---|
一次 | 人事採用担当 | 書類内容との整合性 |
採用部門課長 | 志望動機、実務遂行能力 | |
二次 | 採用部門責任者 | 実務遂行能力、人柄、対人スキル |
人事責任者 | 人柄、熱意、入社条件 | |
最終 | 役員 | 企業文化や社風への適性、一貫性 |
キャリア面接は、新卒のように個人の内面だけでなく、職務経歴書の文章では判断できなかった実務遂行能力が評価されます。一次から最終までフェーズごとの面接対策を紹介していきます!
一次面接
履歴書や職務経歴書などの提出書類への質問には「聞かれた内容に対して簡潔に回答」を心がけてください。過去の実績など、自信がある内容を長々と話す方がいますが「質問に対する理解力が弱い、要点を論理的に説明できない」など、面接評価シートにはマイナス点がつきます。
実は、30分から1時間程度の面接で、個人の能力を判断するのはとても難しいのです。さらに、一次面接官は、二次、最終面接官に向けた「面接採点シート」を提出しなければならず、シートを埋めるために確認すべきことがたくさんあります。
そのため、「聞かれた質問の意図をよく理解して、最もわかりやすい表現で簡潔に答える」と高い評価につながるのです。
簡潔に答えると自分の実績や能力が十分伝わらないと心配される人もいるかもしれませんが、能力をより深く判断したいときは、面接官は、視点を変えて同じような質問をしたり、一つ目の質問に対して具体的に説明してくださいなど、面接の中で、応募者が説明する状況をつくります。
この流れで面接を進めれば、面接官主導による会話のキャッチボールが成立し、一次面接の合格が近づきますよ!
「面接は上手くいったのに何故か不合格になる」と悩んでいる人は、面接でご自身と面接官とで、会話のキャッチボールがどのらいできていたのか、面接官主導で会話が弾んだのかを思い出してくださいね。
「これまでの職務経歴をご説明ください。」面接でよく聞かれますよね。意図は三つあります。
まず、職務履歴書との整合性を確認することです。次に、応募背景や志望動機を踏まえて、職務履歴を簡潔にわかりやすく説明できるかどうか (論理的思考力) を評価しています。最後に、応募者の緊張をほぐすためのアイスブレークとして活用することです。
好印象を与える職務経歴の伝え方
応募者にとっては、面接の通過儀礼として、職務履歴を淡々と説明すればよいと考えていると思いますが、実は「最初の数分は、あなたの印象を高める絶好の機会」なので、必ず、応募背景や志望動機を踏まえた職務履歴の要約を説明してください。
ポイントは、応募背景や条件と関連している経歴に集中した内容を説明することです。
例えば、3社15年の職務経験の中で、1社だけ採用企業が求めている経歴の場合、これまで15年の社会人経験において、●●業界○○年、■■業界□□年、▲▲業界△△年の実務経験があります。その中でも、貴社が今回のプロジェクトで応募されているポジションにおいては、■■企業において、○○のプロジェクトを遂行、□□の課題を解決しながら、△△の結果を残すことができましたので、貴社でも即戦力として貢献できますと伝えましょう!
あなたの説明を受けて「どのように課題を解決しましたか?」や「短期間で△△の成果は素晴らしいですね!」など、アイスブレークのつもりで聞いた面接官が前のめりになれば、その後の面接はとても和やかに進みます。
なぜなら、募集企業への熱意や意欲、コミュニケーション能力、論理的思考力、課題解決力など「面接シートで記入すべき項目」を幅広く評価できたので、面接官は、実務遂行能力の評価に集中できるからです。
あなたの実務能力は、本コラムの「求人の裏側を読み解こう」、「なぜ転職エージェントを使うのか?」で万全の準備ができているはずなので、高い確率で一次面接を通過できるはずです!
「これまでの職務経歴を説明ください。」と面接で聞かれたとき、私は嬉しくてたまりません。募集企業の状況や何を求めているかはエージェント経由でリサーチ済み。さらに、これまでの経歴の中で最も強い実績と紐づけた「確実に評価される」トークスクリプトが完成しているからです。
二次面接
採用部門責任者による面接は「採用合否」が決まる可能性が高いと考えてよいでしょう。
キャリア採用では、熱意や人柄、職務経歴がどれだけ良くても「実務を担える人」でなければ「合格」になりません。
実務を任せられるかどうかを判断できる面接官は、一次の「採用部門の担当者」と二次の「採用部門の責任者」ですので、面接合否の影響力を持った採用部門責任者に対して好印象を与えることが重要なのです。
採用部門責任者が二次面接で何を評価しているのか知りたいですよね?大きく分けて下記三点を確認しています。
- 現状の実務遂行能と将来性
- 組織やチームへの相互作用
- プロフェッショナルの資質
一次の「採用部門の担当者」は、日々の業務遂行能力に注力していますが、二次の「採用部門の責任者」は、現在見えている仕事だけでなく、将来的な事業展開を含む広めの業務遂行能力を評価しています。
そのため、転職エージェント経由で確認していた事前リサーチの内容を超える質問を受けることがありますが、下記ポイントを踏まえて回答すれば、どちらもポジティブな印象を与えることができますよ!
- 経験や実績が応用できる: 御社が取り組まれている●●は、将来■■への拡大が期待できます。ここにおきまして、▲▲社における△△のプロジェクト経験を応用できれば、□□の成果を出せそうです。
- 経験や実績が応用できない: 御社が取り組まれている●●は、将来■■への拡大が期待できます。これまでの経験と少し異なる仕事になりますが、△△や□□の技術を学んで、チームの皆さんと挑戦してみたいです。
仕事ができるのに、面接に合格しない理由
様々な経歴や性格の人が集まって仕事を進める組織において、個々のメンバーがばらばらに動いてしまう、もしくは知識やスキルが共有されていないと、目標を達成するのに時間がかかってしまいます。
そのため、採用部門の責任者は、新しく外部から招く人材が、適材適所に配置された既存のメンバーと相乗効果を発揮できそうかを評価します。
華やかな職務経歴で、熱意や志望動機もしっかりしており、実務能力まで十分高いにも関わらず、面接に通らない人がいます。
これは、個人の成果としては問題ないが、チームの一員として結果を出せないため、採用すると相乗効果どころか、チーム力が弱まると判断されたと考えてください。
このような人は、一般的に能力が高く、成果も出ているため、面接を通過できない理由がわからないと思いますが、実は、成功事例の説明や面接での態度に表れています。
結果を出せても、チームの士気を下げる人は、組織では成功しません。個人では、過去の実績に対して、2から3倍の成長が限界ですが、チーム力を底上げし、組織全体を大きく成果を発揮する仕組みや風土をつくれる人が優秀な人材として評価されます。
プロフェッショナル資質を意識しましょう!
社会や市場環境が激しく変化する現代では、答えのない課題に取り組んでいかなければなりません。
ここにおいては、ルーチンワークを淡々とこなせる人より、日々変化する課題に対して、提案しながら作業を進めるプロフェッショナルな人材が求められています。
リモートワークが浸透した組織では、チームメンバーは離れて仕事をしています。また、外資では、同じチームでも働く時間はもとより、仕事の進め方も国によって違っています。
組織のリーダーが、チームメンバーを細かく管理する過去の手法は、今の世の中に合わないので、職域を問わず、自発的に行動して業務を遂行できる能力が重視されています。
応募する企業の社風や行動規範、働き方を理解し、二次面接で、採用部門責任者が求める「プロフェショナルの資質」に沿った回答ができるよう準備を進めてください!
最終面接
最終面接は、募集ポジションによって、会社の社長や役員が実施します。
書類審査から始まり、一次面接、二次面接で応募者の志望動機や熱意、実務能力、人柄を確認しているので、最終フェーズでは、応募者が「企業文化や風土に合っている」かを評価しています。
面接評価シートには、これまでの面接で応募者が回答した内容が記録されているので、ここで発言の一貫性がないと「不合格」になります。
最後の関門である「発言の一貫性を担保」する対策としては、「一次、二次面接を終えた直後に、面接官から受けた質問と自身の回答内容をメモに残す」ことです。
別のコラムで説明しますが、営業職では、顧客開拓から商品説明・実演、課題解決、クロージングを経て商品を販売していきます。クロージングが下手な営業マンの特徴は、最後の段階で余計な疑問を顧客に抱かせる人です。
実は、最終面接も営業のクロージングとまったく同じなのですが、会社の偉い人にご自身の成果を聞いていただきたいのか、応募背景や条件と異なる話をしたり、一次、二次で伝えた内容以外のことを説明する人がいます。
採用の合否は、採用部門責任者の判断が重視されるので、最終面接では、熱意とやる気を全面に出しながら、これまでの面接で伝えた (=評価された内容) を簡潔に伝えることに集中してください。
とにかく最終面接は、応募枠に対してあなたが適正と評価したこれまでの面接官の判断への疑問を持たせないことです。是非、転職活動のクロージングだと意識して臨んでくださいね!